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2022年5月30日

eスポーツ選手の可能性とゲームを通して身に付く力【オンライン講演会】~中編~

eスポーツ高等学院やeスポーツ業界で活躍することに興味を持つ現役の中高生に向けて「eスポーツ業界のこれから&なぜいまeスポーツ専門の高校なのか」というテーマで、4人の登壇者を迎えてオンライン講演会を実施しました。

登壇者は、さまざまなeスポーツイベントで司会&実況を務めるフリーアナウンサー・平岩康佑(ひらいわこうすけ)氏、CyberZ取締役・国内最大級のeスポーツイベント「RAGE」総合プロデューサーである大友 真吾(おおともしんご)氏、NTTe-Sports 代表取締役副社長・影澤 潤一(かげさわ じゅんいち)氏、そしてeスポーツ高等学院 学院長。

写真左から、大友氏、影澤氏、学院長、平岩氏

今回はプロeスポーツ選手になるということや、ゲームを通して学べること、さらにはeスポーツ専門学校についてのQ&Aもご紹介します!

eスポーツ選手、プロゲーマーについて

大友: eスポーツ選手の数はもちろん増えていますよね。メディアでも取り扱われることが増え、プレイすることだけではなく、SNSでの発信やゲーム配信など「見られる」ことを意識した選手も増えている印象です。

影澤: 選手数が増えていますが、ここ数年はせっかくの活躍の場が(コロナ禍で)制限されていました。いっぽう、ゲーム配信上での炎上トラブルなど、選手個人としてのモラルやチームとしての教育も取り沙汰されました。今後オフラインでの活躍の場が増えるので、今までの選手とこれから新しく入ってくる選手が切磋琢磨して、eスポーツ業界をよりよくしていってほしいですね。

平岩: eスポーツ選手のメリットって実は「引退が早い」ことだと思っていて。海外ではFortniteで15歳の選手にスポンサーが付くなんてこともザラにあります。仮に20歳で引退を決めたとしても、そこから大学に行くなり、就職するなりセカンドキャリアに行きやすいじゃないですか。若くして、プロシーンに挑戦できることも他のスポーツにはないeスポーツの価値の1つです。
その代わりeスポーツのプロ選手になるということは、スポンサーが付き、応援してくれる人の期待を背負って闘うということですから、それなりの覚悟や責任が必要です。でも、若くしてその経験をすれば、結果的に将来はすごく仕事ができる大人になっているはずです。

学院長: 教育的観点から見ても、従来ゲームは言ってしまえば「悪いもの」と捉えられてきました。活躍しているeスポーツ選手を間近に見せることで、親御さん含め社会全体の誤解を解きほぐしつつ、子供たちの未来をより明るいものにしていきたいと考えています。

ゲームを通して学んでほしい

影澤: 先日、eスポーツ高等学院の入学式でゲームの試合をしましたが、初日から一期生22人がすっかり打ち解けて、和気あいあいとしていました。eスポーツを通して友達の輪が広がり、とても良い雰囲気でしたよ!
僕は世代的に「ゲームより勉強しなさい」と親に言われながら陰でこっそりやっていました(笑)。でも今はそうじゃない。eスポーツ高等学院を通じて「好きなことをしていい」っていう感覚を味わってほしい。ゲームも勉強も両立して、両方の結果を出す人が出てくれたら嬉しいです。

大友: 幼少期に周りにいたゲームのうまい友達って「頭のいい」イメージがあります。「ゲームがうまくなりたい、強くなりたい」って思うから、ミスを見つけて改善したり、上手な人にアドバイスを求めたり、自然に工夫していたのだと思うんです。
論理的思考や戦略性だけではなく、最近ではチーム戦のゲームも多いので、的確な指示を短時間でまとめるとか、瞬発的に判断するとか、そのような能力もeスポーツを通して楽しみながら身に着けてほしいです。

平岩: 一部の方とってゲームは「家にこもって1人でやるもの」というイメージかもしれませんが、実はゲームって本当にチーム戦でコミュニケーション能力も養われます。ある選手は「味方選手が焦っているときは、自分がもっと焦ったフリをしてその選手を落ち着かせる」とチームビルディングを自然に意識してプレイしているのだとか。16~17歳でそれを考えてやってのけるって…一般企業ではマネジメント研修で学ぶようなことですよ(笑)

eスポーツ高等学院にまつわるQ&A

朝は何時に起きますか?

学院長: 授業は10時開始です。通勤・通学ラッシュを避けてゆったり登校してほしいからです。8〜9時に起きても間に合う距離に住んでいる方が多いのではないでしょうか。ただ、プロを目指すのであれば遠征や海外との時差があるので、早起きはできるようにしておいたほうがいいかもしれません。

地方にeスポーツの専門高校を作る計画はありますか?

学院長: 今年度中に名古屋校が開校予定ですが、今後は池袋、横浜など、順次展開していきますので続報をお待ちください。

親にゲームの時間を制限されています。どうしたら強くなれますか?

影澤: メリハリは当たり前かもしれませんが、どうやったら親御さんにゲームを止められないか考えると、文句を言わせないように勉強で結果を残すのが手っ取り早いかもしれませんね。

大友: 決められた時間で結果を出すために、ノートを書くなどして振り返る習慣が大事かもしれません。

次回は、後編「3〜5年後、eスポーツの未来」についてお届けします。