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REPORT 学院レポート

NewYorkTimesに密着取材記事が掲載されました。

NewYorkTimesに密着取

材記事が掲載されました。

NewYorkTimesに密着取材記事が掲載されました。

世界で最も認知度が高いメディアNewYorkTimes(ニューヨークタイムズ)に密着取材記事が掲載されました。
入学式から長期にわたる取材で、本学院に通う生徒の変化に着目頂いた素晴らしい記事になっています。

日本のメディアとは異なる視点で記事が投稿されており、eスポーツの華やかさに対する取材記事ではなく、日本のオーソドックスな全日制高校との違いや、日本の高校教育の課題と言える均一化された教育の結果、多様化し続ける社会の中で「学校が合わない」という理由で発生している不登校という社会問題に触れております。

自分に合う高校で学びたい、という自分らしくという想いに応えることが開校目的でもあった本学院にとって、入学前の環境から、学校生活で変化していく生徒の姿を独自の視点で客観的に継続的に捉えていただいたことは、想定外でしたがとても新鮮でした。

本学院が目指すのは好きなeスポーツを学びながら、社会で活躍する人材を育てることです。
今は自分らしさを発揮できていないと感じている子どもたちが、本学院で学ぶことで、自分のペースで出来る事を増やし、好きなことも、勉強も、しっかりと成長する事を望んでいます。

生徒に寄り添いながら良き伴走者として生徒に合ったペースで一緒に走っていければと思います。


記事翻訳内容

他の学校とは一線を画す授業風景

日本初のeスポーツ専門高校が不登校の子供たちを惹きつける「納得の理由」

 

学校からeスポーツの大会に出場するeスポーツ高等学院の生徒たち。果たして結果は?
Photo: Chang W. Lee / The New York Times

Text by Ben Dooley and Hisako Ueno

2022年に開校した日本初のeスポーツ専門高校には、それまで不登校だった子供たちが多く入学した。親ではなく、彼らが自ら通うことを選んだという同校の魅力を、米紙「ニューヨーク・タイムズ」が取材した。

不登校の子供を学校に呼び戻す「モデルケース」

ヨシダ・ワタルはもう限界だった。学校に戻るつもりはなかった。
彼は教師たちが嫌いで、校則にも苛立っていたし、授業には退屈していた。日本でパンデミックによる学校閉鎖が終わり、対面授業が復活した2020年の半ば頃、彼は家にこもったまま一日中ゲームをすることに決めた。
「『学校からは何も得るものがない』と言うんです」と話すのは、母のヨシダ・カエだ。教室を離れて1年以上が経過した現在、16歳のワタルは再び学校に通っている。だが、普通の学校ではない。彼を含む20名ほどのティーンエイジャーたちは、2022年に東京で開校した日本初のeスポーツ専門高校、「eスポーツ高等学院」の第一期生となったのだ。一般の授業科目に加え、ゲームの集中実習時間を設けているこの学校は、世界中で拡大するプロゲーマーの需要に応える目的で設立された。しかし教育者たちは、それよりももっと大事なものをこの場所に見出すこととなった。すなわち、ワタルのような学生たちを学校へと呼び戻すモデルケースだ。

不登校をめぐる日本の状況

1990年代前半、小中学校の生徒の1%以上が学校に通えなくなっていることに教育者たちが気付いて以来、登校拒否は日本の重大な課題となっている。不登校の生徒の数は、いまや当時の倍だ。米国などの国々では、この割合はもっと高い。しかし、不登校の定義が国によって異なるため、直接の比較は難しい。環境に適応できない子供たちにとって、日本の学校の環境は敵意に満ちたものに感じられるかもしれない。そこでは、教師たちからも同級生たちからも一様に、強い同調圧力が発せられているのだ。極端なものでは、他の学生に合わせるべきとの理由で、学校が子供に生まれつき茶色の髪を黒く染めさせたり、下着の色を指定するケースさえあった。東北福祉大学の心理学准教授である中村恵子によれば、日本の学校には在校勤務のカウンセラーやソーシャルワーカー、精神科医が少なく、これが状況を悪化させているという。結果として、教師たちが本来の業務以外の役割を果たすことが当たり前になってしまっているのだ。登校拒否の問題に取り組むなか、教育者らはさまざまな対策を試みてきた。その一つが遠隔教育(ディスタンスラーニング)だ。2022年12月、東京都はメタバース上で学校を開設すると宣言した。宣伝写真を見ると、まるで日本のロールプレイングゲームからそのまま飛び出してきたかのようである。悩める親たちのなかでも財力のある者は、子供を私立の学校に通わせる。グループ活動を強化したり、子供たちに自身の学習計画を立てさせたりする、いわゆるフリースクールもこれに含まれる。

eスポーツ学校に対する親たちの不安

しかし、eスポーツ高等学院の場合、生徒のほとんどが自らこの学校に通うことを選んでいる。子供たちは、そこが安息の地になるかもしれないと考える。だが親たちにとって、これは最後の手段だ。思いがけず不登校の子供たちを惹きつけていると知ったeスポーツ高等学院は、親たちの不安解消のために尽力している。2022年2月の説明会では、同校の授業計画が国の教育水準を満たしていることをパワーポイントを使って説明した。役員たちは、ゲーム依存症やプロゲーマーのキャリア展望など、保護者が抱えるさまざまな不安に答えていった。2ヵ月後の4月、同校の入学式には、22人の少年たちが黒いスーツの保護者らに付き添われて参列した。会場となったのは同校のゲーム専用校舎で、渋谷の繁華街に位置するビルの8階にある近未来的な空間だった。ガラスの床と緑のネオン管が走る天井に囲まれ、半ば宇宙船、半ば電子機器のマザーボードといった趣だ。式典は、生徒と保護者のそれぞれを改めて安心させようとするものだった。開校に際し、元文部科学大臣からの祝電が読み上げられた。ぎこちない動きのバーチャル・アバター姿で現れた学院長が巨大なスクリーンからスピーチし、続けて生徒たちのプログラミング実習を指導した。

他の学校とは違いすぎる授業風景

この学校では、一般的な授業とゲーム関連の授業を複合した課程が1年を通しておこなわれる。月・水・金曜日は、プロゲーマーたちが『フォートナイト』のような人気ゲームの対戦戦略について講義をおこなう。ある日の授業では、生徒たちがホワイトボードの前に集まり、ほとんど科学の授業さながらに『ストリートファイター』における各キャラの相対的な長所についてレクチャーを受け、それからグループに分かれて講義内容を実践していた。火・木曜日には、数学、生物、英語といった主要科目を学ぶ。授業開始は一般の日本の高校よりも遅い午前10時で、制服はない。もう一つ、日本の学校としては珍しいことがよく起きる。遅刻だ。年度も前半のある日、1限目の情報技術の授業に開始時から出席していたのは、わずか2人だけだった。教師は4人いた。途中で生徒たちがちらほら入ってきても、教師たちはにこやかに挨拶するか、特に気にも止めずにいる。3限目の生物までには5人が到着した。その日最後の英語の授業まで残ったのは、2人だけだった。教師たちは、ともかくも彼らが来てくれたことを喜んでいた。「もともと学校に来れていなかった子供たちは、強制されることに対してアレルギーを起こしてしまうのです」と語るのは、気さくな風貌の斉藤暁学院長だ。日本の公立高校で何年にもわたり、問題を抱えた生徒たちを教育してきた経験がある。ゲームで生徒を惹きつけ、「学校に通うのは楽しいし、実際、将来の役に立つ」と彼らに示してやることが同校の方針だと彼は言う。

eスポーツのトーナメントに参加中の生徒たちを見守る同校のスタッフ
Photo: Chang W. Lee / The New York Times

生徒たちのなかからプロゲーマーになる者は、実際には少ない。一人プレイ用のゲームが好まれる日本では、eスポーツが大きく人気を博したことがないのだ。また、プロゲーマーのキャリア寿命はそもそも短く、反射神経に優れる10代が主である。ほどんどのプレーヤーが、20代半ばまでには勝てなくなってしまうのだ。eスポーツ高等学院の教師たちは生徒たちに対し、ゲーム業界への他の道──たとえばプログラミングやデザイン──を見つけ、プロゲーマーとしての活動は一生の仕事ではなく、副業とするよう推奨している。

未来に向けて、新たな一歩

しかし、ワタルはあくまでプロゲーマーとしての大成にこだわりを見せた。学期半ばになっても授業にはあまり顔を出さなかったが、全体として見ればいきいきしていたし、週3日は実習に参加するために1時間以上かけて通学していた。以前より無口ではなくなり、新しい友達と一緒にだらだら過ごすのを楽しんでいるようだ。ワタルとクラスメイトたちのチームは数ヵ月間の厳しい練習を経て、11月には『リーグ・オブ・レジェンド』の国内大会第一回戦を突破した。これはファンタジー的世界観を持つキャプチャー・ザ・フラッグ(2チームで敵陣の旗を奪い合うゲームのこと)で、世界で最も有名なeスポーツゲームの一つだ。トーナメントはリモートで行われたが、第二回戦当日、ワタルとチームメイトたちは学校のゲーム専用校舎に早くから集まった。数人の顧問を除き、教室には誰もいない。メンバーの1人が寝坊して、家からの参加となった。1戦目は勝利した。しかし次の試合で、年長プレイヤーたちのチームにボコボコにされてしまった。敗北を喫し、黙って立ち上がらないチームメンバーたちの打ちひしがれた表情を、モニターの明かりが照らしていた。「帰ろうかな」とワタルが言った。だが、彼はモニターに向かい直した。彼はもうチームの一員だ。それに、チームの一員であることにも、上手くなりつつあるところだ。

eクラスメイトとともに帰路につくヨシダ・ワタル(中央左)
Photo: Chang W. Lee / The New York Times

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